ランペイジ 巨獣大乱闘
突然ハリウッドから現れた怪獣映画純度100%のガチ直球の怪獣映画。
原作は1986年のレトロゲーム。
「元人間の怪獣を操作して町をブッ壊せ!!!!以上!!!!!」
という、ストーリーもへったくれもない内容である。
そんな原作をここまで昇華させるワザマエ、バトルシップの再来を彷彿とさせます・・・いいぞもっとやれ!
- 怪獣映画に全力を賭けた怪獣映画。
- とにかく怪獣が暴れまわる様を楽しめるよう構成されてる
- ラッセル捜査官役のジェフリー・ディーン・モーガンが相当いい味を出している
- ドウェイン・ジョンソンがやっぱこの人ゴリラなんじゃ?と疑いたくなる
怪獣映画が好き、爽快な映画を見たい人なら間違いなく刺さる今作。
バトルシップ、パシフィックリム、ゴジラ(2014)、キングコング~髑髏島の巨神~・・・と近年の脳筋巨大バトル映画に並ぶであろう映画!!
おすすめ!!!!見て!!!
以下、ネタバレ込みの感想
宇宙ステーションで動物実験をしていたであろうエナジン社、実験により凶暴化したネズミ(大人1.5人分くらいのデカさ)によりステーションは壊滅、唯一の生存者が脱出ポッドで3つのサンプルと共に脱出・・のはずがネズミによるダメージで大破してしまう。
そしてサンプルは大気圏を突入し、それぞれ別の場所に落下する。
~怪獣達~
3匹共、「死ぬまで成長が止まらないサメの遺伝子」「カブトムシの強靭さ」「トゲネズミの細胞修復能力」「シロナガスクジラの成長力」「チーターのスピード」を得ている。
どうしてベストを尽くしてしまったのか。
・ジョージ
アルビノのゴリラ。パワーだけでなく、霊長類ならではの運動性も兼ね備えている。
軍用車を掴んで放り投げ上空のヘリを撃墜したり、残骸の鉄塔で殴りつけたりと見ていて変な笑いが出る爽快な戦い方をする。
また、手話でコミニュケーションが取れるほど高い知性を持っているが下ネタとイタズラが好きでデイビスをたまに困らせる。(中指立てたり、死んだふりしたりする)
・ラルフ
オオカミ。ムササビのような皮膜を持ち、背から尻尾にはヤマアラシのトゲが生えている。
素早い、硬い、しかも飛び道具持ち、ゲームで出てきたら絶対嫌われるタイプである。
劇中で一番人を食っている怖い獣。バスに顔を突っ込み漁っている様はギャオスのような恐怖感を与える。
軍の銃機関銃による攻撃も弾き返し、生えているトゲは元のヤマアラシも真っ青な飛距離を誇り、ヘリも簡単に貫通する。やめて。
・リジー
「ぼくのかんがえたさいきょうのかいじゅう」みたいなフォルムのクロコダイル。
3匹の中で最もデカく、A-10の30mm機関砲"アヴェンジャー"ですら傷1つ付かない鱗を持ち、凄まじい破壊力を誇る顎で何でも噛み砕く。
上陸するまで正確な姿が確認できない為、初登場時のインパクトは凄まじい。
また、ワニのくせに高層ビルを垂直に登っていく芸当をやってのける。なんなんだお前。
ちなみに、水中で長時間行動できるように生えたエラが、最後で仇になってしまった。
スタートから「余計な説明は省くぞ!ええか!実験失敗!事故った!!サンプル墜落!!病原菌を動物が吸う!!はいスタート!!!!」
と実にテンポよく進む。余計な情報でテンポ悪くなったり、興ざめせずに怪獣が暴れまわる様をとにかく楽しんで欲しい、という製作サイドの計らいがありがたい。
前半から暴れに暴れ、後半のシカゴ上陸後は本当に気持ちいいくらい暴れてくれる。
怪獣映画の中でも屈指の爽快感なのでは?
また、ビルを壊す流れも、「エナジン社のビルから怪獣にしか聞こえない低周波を流しており、この低周波を不快に感じる為怪獣はこの装置を破壊する為にシカゴへ向かう」
としっかり自然な理由付けがされている。本当、ストーリーを考えた人に拍手を送りたい。
余談ながら、エナジン社の社長室?であろう部屋に、しれっとランペイジの筐体が置かれているあたり、原作愛を感じさせる。
そして、ドウェイン・ジョンソン演じるデイビスのゴリラっぷりパワフル具合が凄まじく、
拘束バンドを素手で引き千切る、腹に銃弾を食らってもしばらくすると何事もなかったかのように行動、素手で特殊部隊員2名をねじ伏せる、と人間じゃないムーヴをガンガンやってくれる。やっぱりゴリラじゃないか!
また、スーパーナチュラルではウィンチェスター兄弟の父親、ウォーキングデッドでニーガン役を演じたジェフリー・ディーン・モーガン演じるラッセル捜査官が非常に良い役をしている。
腰にはパールホワイトのグリップの45口径ハンドガンを携え、初登場時はジョージとデイビス、コールドウェル博士を拘束し、始終不敵な笑みを浮かべ、相手の痛いところを付く非常に嫌な奴という立ち位置だったが、
輸送機墜落時にデイビスに命を救われた後、「私もあの姉弟(黒幕)をこらしめたい。」と協力してくれるようになる。
そのカッコつけな見た目に、カウボーイ気取りめ!!と軍の偉い人に怒鳴られた際も、「カウボーイは仲間を見捨てない。」と言い放ついいセンスの持ち主である。
更に吹替え版だとあの若本さんが担当している為、味わいが数倍増す。
また、演じているジェフリーが怪獣映画のファンらしく、「こんな映画に出られるなって光栄だよ!」といったノリで嬉しさのあまり、撮影中もニヤニヤが止まらず注意された・・とインタビューで語っていたらしいけど、まさかこの役のニヤニヤ顔は・・・
そしてもう1つこだわりを感じるのがゴリラの挙動。
ジョージ含め、他のゴリラもとにかくリアルなゴリラ像が描かれている。
デイビスに注意され、最初は起こるものの、渋々従う若いオス(去っていたメス達をちらちら気にしている)、その後ジョージにブッ飛ばされたあと、しょんぼりしながら去っていく。
また、ジョージも非常に表情豊かで、感染した後、グリズリーを一撃で殺してしまい、恐怖でパニックになっている様、外に逃げ出した際、逃げ惑う人々や車を見て恐怖や困惑の表情がリアルに作られている。すごい。
~
うっかり長くなってしまった。
とにかく巨大なサムシングが暴れまわり、殴り合うのが大好きなら絶対見て欲しい。
また、パンフレットも怪獣愛が炸裂しており、怪獣紹介は一昔前の怪獣図鑑のようなイラストと雰囲気で紹介されている。色合いもめちゃくちゃそれっぽくしてある。
気に入ったら必ずパンフレットも確保しよう。